
こんにちは。サースプラスカンパニーの徐です。
今回は、昨年10月に日本国内にリリースされたSalesforceのAI機能「Agentforce」 についてご紹介していきます。
株式会社メンバーズ サースプラスカンパニーでは、Salesforceを中心としたSalesforce・SaaS活用の内製化・伴走支援サービスを提供しています。
SaaS活用を通じて企業のDX推進を進めたいと考えている方は、ぜひ一度お問合せください。
Agentforceとは?
Agentforce(旧:Einstein Copilot)は、Salesforce CRMに統合された会話型AIアシスタントです。
大規模言語モデル(LLM)の技術を活用し、自然言語での対話を通じてユーザーのビジネスタスクを効率的にサポートする便利なツールです。
Agentforceで実現できる業務改善
Agentforceには、複数のAIエージェントが含まれており、業務シーンによって様々な機能を発揮します。
この記事では4つのAIエージェントを紹介します。
Agentforce Copilot
Agentforce Copilot は、ユーザーが日常的なビジネスインタラクションを支援するエージェントです。
主な機能:
- 商談、取引先、ケースなどのSalesforceレコードを要約する
- セールスメールを作成または修正する
- Salesforceレコードを検索する
- Salesforceデータを集計する
- 知識ベースからの情報を使用して質問に回答する など
このエージェントは、レコード情報の収集、セールスメールの作成、レコード検索の効率化を実現することで、従業員の日常業務の生産性向上に貢献します。
Agentforce Service Agent
Agentforce Service Agentは、お客様との日常的なインタラクションを「AI参加型」で自動的に処理し、サービス品質を向上させるエージェントです。
主な機能:
- お客様からの問い合わせに24時間体制で自然な会話形式で応答する
- 企業の知識ベースやCRMデータに基づいて正確な情報を提供する
- 複雑な問題を適切なサービス担当者にエスカレーションする
- お客様の質問を理解し、必要な情報を収集して共有する
- 企業のブランドボイスに沿った一貫性のある応対を実現する など
このAIエージェントがルーチン業務を自動化することで、サービスチームはより戦略的な業務やお客様との関係構築に注力できるようになります。
Agentforce SDR (Sales Development Representative)
Agentforce SDRは、セールスファネル上部に焦点を当てた自律型AIエージェントです。24時間体制でリード育成を自動化し、営業チームの生産性を飛躍的に向上させます。
主な機能:
- インバウンドリードへのパーソナライズされた対応を自動化
- 製品やサービスに関する質問への回答とオブジェクション対応
- 営業担当者とのミーティングのスケジューリング
- リードの評価と適切な営業担当者への引き継ぎ
- メールコミュニケーションの促進によるパイプラインの加速 など
このエージェントにより、営業担当者は日常的なリード対応から解放され、質の高い見込み客との商談に専念できるようになります。人間のSDRの代替ではなく、営業力を効率的に拡張するツールとして機能します。
Agentforce Sales Coach (ASC)
Agentforce Sales Coachは、セールスファネル下部に焦点を当てた営業担当者の専任AIコーチです。CRMデータを活用して、商談ごとにパーソナライズされたコーチングを提供します。
主な機能:
- 商談固有のカスタマイズされたロールプレイシナリオの提供
- セールストークの練習機会とリアルタイムフィードバック
- オブジェクション対応や交渉スキルの強化
- CRMデータに基づいた具体的なアドバイス
- 一貫性のある客観的なコーチングの実現 など
このエージェントにより、マネージャーにかかる時間負荷を軽減しながら、すべての営業担当者が必要な時に質の高いコーチングを受けることができます。特に大規模な営業チームを持つ企業に最適です。
Agentforceの強み
カスタマイズ性
Agentforceは、Salesforce Platformで提供されるため、Salesforceが持つ豊富なツールと結合してエージェントを構築することができます。
「Flow Builder」、「Apex言語」、「Prompt Builder」および「Agent Builder」を使用することで、コードまたはノーコードでAIエージェントの作成・業務に合わせてカスタマイズすることが可能です。
安全性
Agentforce は、企業データの保護に特化した Einstein Trust Layer を実装しています。
例えば、サードパーティの LLM にデータを一切保持させない「データ保持ゼロポリシー」の徹底や、機密情報を自動的にマスキングする機能、AI が誤った情報を生成するハルシネーションを制限する仕組みを備えています。
また、すべての AI インタラクションのログを Data Cloud に記録し、有害性スコアを管理することで、企業が安全かつ透明性の高い形で生成 AI を活用できる環境を実現しています。
まとめ
AI時代において、企業がどのようにAIを活用するかは重要な課題です。
Agentforceは、その解決策の一つとして大きな可能性を秘めています。特に、「AI + CRM」の組み合わせは、すでにSalesforceを導入している企業にとってAI活用のハードルを大きく下げるでしょう。
Salesforceに蓄積されたデータをAgentforceで活用することで、より効果的に利用できると考えられます。
Agentforceのような「自律型AI」はまだ黎明期にありますが、現時点で最も効果的に活用できる業務は比較的決まった対応が多い、かつ人力では限界がある業務です。
一例としては、コールセンター業務や問い合わせ対応業務が挙げられます。
これらの業務では、事前にAgentforceに必要な資料を読み込ませておくことで、顧客からの質問に対しAgentforce Service Agentがその資料に基づいて適切な案内を提供できるようになります。
ただし、Agentforceを最大限に活用するためには、いくつかの重要なポイントがあり、その一つは「データの整備」です。
データが適切に整備されていなければ、どれほど優れた機能を持つAgentforceであっても、その効果を十分に引き出すことはできません。
Agentforceの導入を検討する際には、データが整っているかどうかをすることから始めていきましょう。
株式会社メンバーズ サースプラスカンパニーでは、Salesforceを中心としたSalesforce・SaaS活用の内製化・伴走支援サービスを提供しています。
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※本記事は執筆時点の情報をもとに作成されております。 Salesforceのアップデート等により仕様が変更となる可能性がありますのでご注意ください。