株式会社ベネッセコーポレーションさま

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事業の未来を見据え、拡張するサービスを支えるためのSalesforce導入支援

メンバーズは、株式会社ベネッセコーポレーション 大学・社会人カンパニーさまのSalesforce導入の支援をおこないました。
抱えている課題からSalesforceの運用設計、導入までがどのような経緯で進行したのか、お話を伺いました。
(取材日:2024年8月9日)

 

左から
株式会社ベネッセコーポレーション
大学・社会人カンパニー
ソリューション営業部
部長
中谷健太さま

同カンパニー
ソリューション営業部
ソリューション営業5課
課長
木田裕太さま

まずは、中谷さまと木田さまのご担当、ミッションについて教えてください。

中谷氏:ベネッセコーポレーション、大学・社会人カンパニーのソリューション営業部に所属しています。ベネッセは子ども向けの事業の印象が強い方も多いですが、私たちのカンパニーはベネッセの事業領域の3本柱の一つである社会人教育を担っています。
自社の中でも新規領域を担当しているカンパニーですが、事業構成としては、業務提携しているUdemy本社が有するオンライン学習プラットフォームを日本展開するUdemy事業と、学習や人材育成を通してさまざまな課題解決やDX推進を支援する事業があります。

木田氏:私も中谷と同じくソリューション営業部に所属しており、Udemyを軸とした「法人に向けた学習機会の提供サービス」の営業マネージャーを担当しています。どの会社さまも、プラットフォームを活用しつつ、社員に対して、「どのように学びの機会を提供していくか」という学習周辺の課題を抱えています。そのため、集合研修やアセスメントの実施を通して支援するのが私のミッションになります。
学びを提供する会社としてラーニングに軸足を置きつつも、ヒューマンリソース(以下HR)に関する幅広い課題を解決できる組織を目指しています。

Salesforceを導入した経緯と抱えていた課題について教えてください。

中谷氏:大学・社会人カンパニーは立ち上がって2年目になりますが、法人向けのUdemy事業は5年前から提供しています。当時はUdemy事業を成長させるための営業組織があり、営業管理・商談管理を含め、Udemy社のSalesforceを中心としたツールで顧客管理をおこなっていました。
ですが、当初の「社会人向けの学習」という領域から、より広いHRの課題解決まで事業領域を拡大させていく際、拡大するソリューションに紐づく横断的な営業管理や、未来のマーケットを見据えた営業戦略が必要になりました。その第一歩として、既存の営業や商談管理の効率化を目的に、新たなプラットフォームの導入を検討し始めました。

これまでは、Googleスプレッドシートを使って管理していましたが、営業活動から得られる情報を、セキュリティを保ったまま、複数人で同時に管理するには限界がありました。そこで、すべての商品・サービスを一元管理でき、顧客に総合的なコンサルティングをおこなえるという点で、Salesforceの導入を決定しました。

さまざまな営業管理のツールがある中で、なぜSalesforceを採用されたのでしょうか?

インタビューの様子1

木田氏:新しくツールを構築する上で、特に重視していたのは、商談の流れを明確にすることです。Googleスプレッドシートでは、入力したデータは上書きされ続けてしまいます。これでは、どの商談がどのフェーズまで進み、なぜ成功できたのか、なぜ失敗したのかの理由や経緯までを把握することは困難でした。新規事業を進めるにあたり、これらのデータを見られるようにすることが大前提でした。

中谷氏:もともと、使いやすいものを選ぶという基準で何種類かに絞り込んでいました。その中でも、当社内で使用しているユーザーが多く、導入後に育成がしやすいという点と、営業・商談管理をするにあたって必要なものが揃っている点から、Salesforceを選びましたね。

Salesforce導入にあたり、当社のサースプラスカンパニーにご依頼いただいた経緯について教えてください

木田氏:まず、Salesforce導入後にどうすれば浸透・定着するかを考えると、運用設計を固めることが重要です。しかし、社内のデジタル専門部隊ではSalesforceに関するノウハウに限界がありました。そのため、実績と経験を持っている会社にコンサルティングしていただく必要があると考えていました。
加えて、検討開始から半年という短期間で、全営業部に公開する計画だったので、われわれの今の状況を理解し、支援していただける会社を探していました。

中谷氏:そこで、別の部署の人からメンバーズさんを紹介いただいたのがきっかけです。

木田氏:もともと、当社の別部門ですでにご支援いただいていたこともあり、今までの実績と信頼から、Salesforce導入もお願いしました。

ご依頼いただいたあとは、どのように進めたのでしょうか?

木田氏:初期の打ち合わせは、営業管理システム(以下SFA)の仕様定義からではなく、現在の自社のサービス形態やビジネスモデル、マーケティングプロセスの現状といった営業戦略のヒアリングから始まりました。

通常であれば、SFAの仕様理解やSalesforceの使用手順の説明、要件定義から始まると思っていましたが、実際には、われわれが取り扱っているサービスのビジネス優位性や市場戦略のようなビジネスモデルの説明からスタートしました。特に最初の4時間は、Udemyで公開しているビジネスオンラインキャンパスの事業説明から、営業分析で重視している点、当時の営業管理方法について細かい粒度でお話ししました。

事業を立ち上げたばかりということもあり、立ち止まって、各事業の分析をおこなう機会がありませんでした。この過程があったことで、目的とゴールを言語化し、必要なデータを集めるためにすべきことなど、サービス戦略を改めて考える時間となりました。
実際、新規事業に取り組むにあたって、どのようにフェーズを組むべきか、何の情報を押さえて、どのように伝えるのが正解か分かりませんでした。そのため、導入後のツールの運用を見据えるよりも、営業戦略を中長期で見据えて必要な設計を考えることが重要だと言われ、これが今にもつながっています。

中谷氏:初期の打ち合わせから公開までは半年ほどでした。初めの2ヵ月は現在のビジネスの構造と必要なデータを整理し要件定義をおこないました。その後1ヵ月でSalesforceの話をして、残りの3ヵ月で公開に向けたテストやリリースの流れだったと思います。多かったときには週2で、5時間ほどのミーティングをオンライン上でしていましたね。

要件定義からSalesforceの実装までを通して、メンバーズのサービスに対してどのような印象を持ちましたか?

インタビューの様子2

木田氏:良かったのは、要件定義の段階のディスカッションですね。その段階で、運用中に入力する項目を細かい粒度で定義できたので、どうしてこの項目を埋める必要があるのかを、自信を持って説明できるようになりました。定義するのは大変でしたが、あのディスカッションは必要なプロセスだったと思います。

中谷氏:私が印象に残っているのは、この先を見据えたSalesforceの導入について考えてくださった点です。今は取り扱っているサービスは多くはないですが、この先サービスが増えたときのデータ管理を考え、商品に応じて柔軟に変更していく部分と全商品で揃えておくべき部分を明確にできました。

もし、今のGoogleスプレッドシートで管理しているものをSalesforceに移行してほしいというご依頼だけしていたら、新規サービスへの転用の可能性まで汲み取ってもえらえなかったかもしれないです。

実際、導入してからの効果や社内の反応はどうですか?

木田氏:一番はメンバーが当事者意識を持てたことですね。今まではUdemy本社が販売するために用意されたSFAの項目に、ただ情報を埋めていくばかりでした。ですが、今回SFAを自ら企画し、運用に携わったことで、なぜ項目を埋める必要があるのかを理解し、データを入れる理由を第三者に答えられるようになりました。

それに加え、この事業を成長させるためのKGI、KPIを設定し、それを元にダッシュボードを作りました。グループリーダーからは、ダッシュボードが使いやすいと評価を受けています。顧客ごとの営業の状態や分析結果が可視化できるようになり、先週発生した案件や商談フェーズ、営業計画がダッシュボードで確認しやすくなりました。

他にも、Salesforceを使い始めてからメンバーのマインドに変化がありました。何よりも営業プロセスが緻密になったと感じています。Salesforce導入前のシステムでは入力項目が明確化されておらず、商談のフェーズを登録するだけでしたので、顧客の詳細な状態が分かりにくくなっていました。

現在は、商談のフェーズごとにどのような状態・情報を入力すべきか明確になり、そのフェーズと手順通りに営業ができるようになりました。これによって、営業メンバーは、次に何をすべきかを考えてマネジメントしやすくなったと思います。

また、メンバー間でのフィードバックがしやすくなったことで、マネジメントの工数削減にもつながっています。営業後、SFAの項目が埋まっていないところがあれば、なぜこの項目が用意されているのか、都度確認し合うようになりました。チーム内で確認し合うことで、情報の入力作業を定着させやすくなったと感じます。これと同時に、振り返りのPDCAも回せるようになり、営業レベルが高くなったと思います。

今後、中長期でSFAを活用していく展望があればお聞かせください。

木田氏:さまざまなサービスの営業を管理できる総合的な基盤をつくることです。たとえば、Udemyというビジネスモデルは、1年という計測期間のなかでユーザーがどのくらいアクセスしたかが重要です。一方で、アセスメントサービスの場合は計測期間ではなく、契約者数が指標になります。

このように、HRの観点から課題解決のサービスを生み出していくと、商品ごとの多様性やデータの粒度のばらつきが出てきてしまいます。これらを一元管理するのは困難です。そのため当社としては、HRの課題に多面的に寄り添う営業組織を支えるためのSFAを作らなければなりません。これが次の目標です。

中谷氏:木田の言ったことに加え、SFAを使って事業の成果に還元していきたいと考えています。現在、Udemy事業ではUdemy社とともに、営業分析や予測を進めています。ですが、ベネッセでの新規事業や新商品サービスを展開することを考えると、それらの分析ができる人材を増やさなければなりません。

営業機会の発生条件や、チャーンリスクの洗い出しといったタスクを、特定の担当者だけに頼るのではなく、現場全体で共通認識として持つようにしたいですね。何千社とある取引先を分析し、営業の現場でデータを活用できるようになれば、データドリブンで優位性を確立できると思います。今回は、それらを作っていくための土台をご支援してもらったと思っています。

メンバーズのようなDX支援の会社とともに、新システムの導入を成功させるには、どういった支援が重要でしょうか?

インタビューの様子3

中谷氏:われわれが将来的に目指していることへの本質を、ともに洗い出してもらうことです。振り返ると、単にシステムを導入するだけではなくて、事業の今後を見据えた最短距離を描いてもらったことが良かったです。SFAの課題だけではなく、社外の人だからこそ見える組織や営業の課題を指摘してもらいました。

結果的に、われわれが最初に思い描いていたソリューションよりも上の目標を達成できたと思います。今後もそのような考え方を大事にしたいと思っています。

木田氏:一番良かったのは、本質的な課題は何かというところに向き合ってくださった点です。課題解決をするためには、その会社が何を大切にしているのか、なぜその事業を展開しているのか、どのようなKPIを設定しているのかを深掘りしていかなければいけません。事業の本質から逃げずにとことん向き合い、その会社や事業を理解した上で解決方法を提案し続けることが大切だと思います。

株式会社ベネッセコーポレーションさまにおけるメンバーズの支援範囲

企業名株式会社ベネッセコーポレーション
大学・社会人カンパニー
所在地(本社)〒163-0415
東京都新宿区西新宿2-1-1 新宿三井ビルディング 15F(受付)
URLhttps://www.benesse.co.jp/
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