
こんにちは。サースプラスカンパニー Salesforceエンジニアのyamamotoです。
2025年11月に開催された「Agentforce World Tour Tokyo(AWTT)」。
メンバーズブースにお越しいただいた皆様、誠にありがとうございました!
今回のブログでは、展示ブースで特に大きな反響をいただいたデモンストレーションの裏側を解説します。
株式会社メンバーズ サースプラスカンパニーでは、Salesforceを中心としたSalesforce・SaaS活用の内製化・伴走支援サービスを提供しています。
SaaS活用を通じて企業のDX推進を進めたいと考えている方は、ぜひ一度お問合せください。
本取り組みは、AI動画プラットフォーム「1ROLL」を提供する株式会社フレイ・スリー様との共同プロジェクトとして実施されたものです。
営業担当者の「リサーチ」と「メール作成」を劇的に自動化するこの仕組み。
まずは、実際の挙動を動画でご覧ください。(約4分)
いかがでしたでしょうか? 手作業なら数十分かかる業務が、一瞬で完了する様子がお分かりいただけたかと思います。
それでは、このスピードを実現している技術的な仕組みを紐解いていきましょう。
開発の背景:営業担当者を苦しめる「下調べ」の壁
今回、フレイ・スリー様と共同で「現場のリアルな課題」を深掘りする中で見えてきたのは、新しいリード(見込み客)への初回アプローチにおける「準備の壁」でした。 多くの営業現場では、以下のような悩みを抱えています。
情報収集の負荷: 1社ごとにWebサイトやニュースを検索し、手作業でCRMに入力するのに数十分かかる。
アプローチの画一化: 下調べに時間がかかりすぎて、結局どの顧客にも同じような定型文メールを送ってしまう。


この「準備」にかかる膨大な時間を削減し、営業担当者が「顧客との対話」という本来の業務に集中できるよう、私たちはAIエージェントによる自動化プロセスを構築しました。
技術的な仕組み:gBizINFO × Gemini による自律的なリッチ化
今回の核となるのは、Agentforceが自律的に外部データを取得・解析し、Salesforceの取引先情報を充実させる「リッチ化」のプロセスです。

今回のデモの全体フローがこちらです。Agentforceが自立的にgBizINFOやGeminiを呼び出し、情報の不足を補完します。
ポイントは、同名他社が見つかった場合に『ユーザーが選択する』工程を挟める点です。
これにより、AIの利便性とデータの正確性を両立させています。
ステップ1:公的機関データ(gBizINFO)による情報の正確性担保
Agentforceに対し「法人番号を調べて」と指示すると、AIは経済産業省のgBizINFO APIを呼び出します。
生成AIが公的データを参照することで、会社名から正確な「法人番号」や「本社所在地」を瞬時に特定可能です。
これによりデータ入力の手間とミスをゼロに近づけます。
ステップ2:Gemini APIによる定性情報の要約
次に、特定された法人番号や会社名をもとに、Googleの生成AI「Gemini」がWeb上の公開情報を解析します。
- 事業内容・企業概要:最新のWebサイト情報を要約
- 最新動向:直近のプレスリリースやニュースを抽出
- 想定課題の分析:業種や規模から、その企業が現在直面しているであろう課題をAIが推察
これにより、これまで手作業で行っていた「検索・閲覧・要約」のプロセスが、わずか数秒で完了します。
パーソナライズ:相手の「役割」に合わせたアプローチ
情報が揃った後、Agentforceは「誰に送るか(ペルソナ)」を判断し、最適なメール文面を生成します。

デモでは、以下の3つのペルソナに合わせて訴求内容を自動で切り替えるロジックを組み込みました。
- 情シス担当:セキュリティ、運用負荷軽減、既存システムとの連携
- 経営企画:ROI(投資対効果)、KPI改善、全社的な生産性向上
- 代表・役員:事業成長のスピード、市場競争力、低コストでの拡張性
「相手が何を求めているか」をAIが理解して文面を作成するため、営業担当者は提案の核となる部分を確認するだけで、質の高いメールを送信できます。
導入効果:100社のアプローチ準備が「数分」に
今回のデモ構成を実務に適用した場合の、シミュレーション結果をご紹介します。

これまで準備にかかっていた時間が「40時間以上」から「数分」に短縮されます。
空いた時間は顧客へのヒアリングや提案活動など、人間にしかできない付加価値の高い業務に充てることができ、結果として受注率の向上が期待できます。
おわりに:AIに「正確な燃料」を供給し、経営インパクトを生む
AWTTの展示ブースでは、「これなら新人でも即戦力になれる」といった現場視点での期待の声を多くいただきました。
しかし、本プロジェクトの真の狙いは、単なる「作業の自動化」にとどまりません。 フレイ・スリー様と私たちが目指したのは、AIを「経営インパクトを生む営業DX」へと昇華させることでした。
AIの精度を決めるのは「データという燃料」
最新のAI(Agentforce)であっても、判断材料が乏しければ正しい出力はできません。 今回のデモでは、以下の3つを「正確な燃料」としてAIに供給する構成を描きました。
- 信頼できる公的データ:gBizINFO(企業の実在性)
- リアルタイムの外部情報:Gemini(市場の最新動向)
- 深い顧客インサイト:1ROLLが取得する動画視聴データ(顧客の興味関心)
これら質の高いデータを統合することで、AIは初めて「コンテクスト(文脈)」を理解し、人間のように気が利くアクションが可能になります。
「実装」だけでなく「事業課題」から伴走する
サースプラスカンパニーは、単なる開発の業務委託先ではありません。
お客様の経営課題・事業課題を深くヒアリングし、あるべき姿を整理した上で、Agentforceや1ROLLのような最適なSaaSを組み合わせ、実装から日々の運用定着までを一気通貫で支援いたします。
「AIを入れたが成果が出ない」「ツール単体ではなく、事業全体を見据えたDXを進めたい」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
株式会社メンバーズ サースプラスカンパニーでは、Salesforceを中心としたSalesforce・SaaS活用の内製化・伴走支援サービスを提供しています。
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