
こんにちは。サースプラスカンパニーのSAITOです。
Salesforceを導入しているものの、「ダッシュボードがただのレポート集になっていて、なかなか次の行動に繋がらない…」といったお悩みはありませんか?
実は、Salesforceのダッシュボードは、単なるデータ可視化ツールにとどまらず、具体的なアクションを促し、ビジネス目標達成を加速させる強力なツールとなり得ます。
この記事では、Salesforceのダッシュボードを最大限に活用するための考え方や、効果的なダッシュボードを作成するためのKPI設計のポイントを、実際のワークショップ体験に基づき解説します。
株式会社メンバーズ サースプラスカンパニーでは、Salesforceを中心としたSalesforce・SaaS活用の内製化・伴走支援サービスを提供しています。
SaaS活用を通じて企業のDX推進を進めたいと考えている方は、ぜひ一度お問合せください。
Salesforceのダッシュボードとは?
Salesforceのダッシュボードとは、Salesforceに蓄積されたデータを視覚的に表示する機能です。
その本質的な目的は「状況を判断し、そして具体的なアクションを取る」ことにあります。
この「アクションをどう取るか」という点が非常に重要なポイントです。
ダッシュボードの目的は「状況判断とアクション」
この目的は、車のダッシュボードに例えると非常に分かりやすいでしょう。
例えば、車のスピードメーターが速度超過を示していれば、ドライバーはアクセルを緩めたりブレーキを踏んだりします。ガソリン残量警告灯が点灯すれば、ガソリンスタンドを探して給油に向かいますよね。
Salesforceのダッシュボードも全く同じです。
▪ 「見込み案件が少ない」という状況が見えれば、新規案件創出のための活動を増やす
▪ 「未訪問顧客が多い」と分かれば、優先度の高い未訪問顧客からアプローチを開始する
このように、状況を正確に把握し、迅速かつ効果的な「行動」へ繋げることこそが、Salesforceダッシュボードの最大の価値なのです。
アクションを促すために可視化すべき3つの要素
効果的なダッシュボードには、以下の3つの要素をバランス良く盛り込むことが重要です。
1. 結果: ビジネスの最終的な成果に直結するKPI
例:受注金額、新規顧客獲得数、パイプライン金額など
2. プロセスの進捗: 結果を出すために行っている活動が、どれくらい進んでいるかを示すKPI
例:キーパーソンへの到達率、訪問件数、集客コール数など
3. 異常・抜け漏れ: やるべきプロセスが適切に実行されていない状況を検知するためのKPI。これはプロセスの進捗に関連する要素となります。
例:30日間未訪問顧客数、完了予定日のスリップ数、行動予定のない商談一覧など
これらの要素を可視化することで、どこに問題があるのか、どこを改善すべきなのかが明確になり、次のアクションへと繋がりやすくなります。
ダッシュボード運用の「誰が」「いつ」「何のために」を明確に
ダッシュボードが「見て終わり」にならないためには、運用ルールを事前に決めることが不可欠です。
数値を確認して終わりではなく、そこから気づきを得て考え、行動を変えることがダッシュボードの目的なのです。
誰が : 経営層、営業マネージャー、営業担当者、マーケターなど、誰が利用するのか
いつ : 毎朝、毎週のチーム定例会議、毎月の経営会議など、どのタイミングで確認するのか
目的 : 部門の売上目標達成、個人のパフォーマンス管理、特定のキャンペーン進捗確認など、どのような目的で利用するのか
利用シーンが異なれば、見るべき内容やそこから取るべきアクションも変わってきます。
「誰が」「いつ」「どのような目的」で使うダッシュボードなのかを明確にした上で設計することで、より効果的な行動に繋がるダッシュボードを作成できます。
成果に繋がるダッシュボードを作るための考え方と具体的な手順
私たちが行ったワークショップでは、「目標達成に必要なKPIの検討手法を理解し、ダッシュボードを設計する」ことをゴールとしていました。
そのために、ダッシュボードデザインキットを使用し、大きく2つのワークを通じて具体的な設計を行いました。

ステップ1:サクセスマップで目標と活動を連動させる
多くの組織では、日々の活動が会社の最終的なゴールや目標に直結しているかを評価できていないことがあります。
これを解決し、ゴールと日々の活動を正しく連動させるためのフレームワークが「サクセスマップ」です。
サクセスマップでは、以下のステップでゴールから日々の活動までを具体的に落とし込みます。
1. ゴールを設定: 最終的に達成したい内容、数年後の目標をピンクの付箋に記入
例:XX事業での業界シェアNo.1、導入企業1000社達成、XX地域で一番信頼されるパートナーなど
2. 目標を設定: 1年後に達成したい結果を黄色の付箋に記入
例:今年度売上30億円、新規顧客50社獲得。KPIとその目標値を記載します(例:年間売上金額 30億円)
3. 戦略を立案: 3ヶ月から6ヶ月くらいの期間で実行する、目標達成のために重点的に取り組む内容を黄色の付箋に記入
ヒント:
▪ 売上向上要素を「商談件数を増やす」「商談勝率を上げる」「商談単価を上げる」「商談期間を短縮/対応コスト削減」といった要素に因数分解し、具体的な戦略を検討します。
▪ さらに「誰に」「何を」「どのように」といった視点を加えることで、より具体的な戦略が生まれます。
▪ この段階では、営業活動に直接繋がる戦略を選ぶことが重要です(例:「営業担当を増やす」は避ける)。
▪ アイデアを出し合った後、最終的に3つ以内に絞り込みます。
4. 活動を定義: 絞り込んだ戦略の実現に必要な、具体的な日々の営業活動を黄色の付箋に記入
ヒント:
▪ 部門内で「一番できる人」と「そうでない人」を想像し、何が違うのかを考えることで、効果的な活動アイデアを洗い出せます。
▪ 活動は「営業が○○する」という動詞の形で具体的に記述します。アイデアを出し合った後、戦略ごとに2つ以内に絞り込みます。
5. KPIを設定: 目標、戦略、活動それぞれの達成度合いを測るKPIを黄色の付箋の下の段に記載
KPI設定のポイント:
▪ 数値として定量的に測れるか
▪ 期間(月/週/日など)を明確に区切っているか
▪ チーム全体または個人、どの単位で追いかけるものか
具体的な数値が決まらなくても、まずは「何を測るのか」を決めることを優先しましょう。
6. サクセスマップの見直し: 設定したゴール、目標、戦略、活動、KPIの関連性、レベル感、計測可能性を最終的に確認
このように、ゴールから日々の活動までが紐づけられていることで、もし目標達成がうまくいかない場合でも、どこに改善点があるのかを素早く特定し、適切な対策を打つことが可能になります。
ステップ2:サクセスマップからダッシュボードイメージを設計する
サクセスマップで定義したKPIを元に、具体的なダッシュボードのイメージを設計していきます。
1. ダッシュボードの利用シーンを決定
まず、「誰が」「いつ」「どのような目的で」このダッシュボードを利用するのかを明確にします。
例えば、営業マネージャーが週次のチームミーティングで進捗を確認するといった具体的なシーンを想定します。
2. グラフタイトルとイメージの決定
サクセスマップで設定したKPIを、前述の「結果」「プロセスの進捗」「異常・抜け漏れ」のいずれかに分類し、それぞれに適したグラフタイトルとグラフ形式を検討します。
グラフタイトルのヒント:
「何を見せるグラフなのか」を見た人がすぐに分かるように、以下の要素を含めます。
▪ 何をまとめているか(例:時系列別、部門別、担当者別、製品別など)
▪ 何の値を示しているか(例:件数、金額、率など)
▪ 例:「週次担当者別 訪問件数」「今月のチームの新規見込商談 合計金額」
グラフ選択のヒント:
▪ 結果のダッシュボードには、積み上げ形式の棒グラフ、基準線ありの棒グラフ、統計値などがおすすめです。目標と現状のギャップを把握するのに適しています。
▪ 進捗のダッシュボードには、時系列で並べた棒グラフ、折れ線グラフ、ドーナツグラフなどがおすすめです。期待する変化が起きているか、傾向や進み具合を把握するのに役立ちます。
▪ 異常・抜け漏れのダッシュボードには、担当者別や部門別の棒グラフ、テーブル形式などがおすすめです。できていない数値を部門や人別に可視化したり、詳細を表示したりすることで、次のアクションを強く促すことができます。
このステップを通じて、サクセスマップで練り上げた戦略と活動が、Salesforce上でどのように可視化され、どのようにアクションに繋がるのかを具体的にイメージすることができます。
Salesforceダッシュボードで成果を出すための「重要なポイント」
これまでのプロセスを通して、特に重要だと感じたポイントをまとめます。
▪ 「状況判断とアクション」への徹底的な意識: ダッシュボードは単なる「見るもの」ではなく、「行動するためのトリガー」です。
数値を見て終わりではなく、そこから得られる気づきをもとに、具体的な改善行動を起こすことに常に意識を向けましょう。
▪ KPIの「質」へのこだわり: 「数値として測れるものか」「期間は明確か」「単位は適切か」といったKPI設定のポイントは、ダッシュボードの有効性を大きく左右します。
質の高いKPIは、正しい状況判断とアクションを導きます。
▪ Salesforceのリアルタイム性を最大限に活用: Excelなどでの手動集計では、分析して対策を打つ頃には状況が変わって手遅れになることがあります。
Salesforceのダッシュボードはリアルタイムで状況を可視化できるため、迅速な現状確認と対策立案が可能になります。
このスピード感が、ビジネスにおいて大きな競争力となります。
▪ 運用を定着させる組織文化: 「誰が、いつ、何のために」ダッシュボードを使うかを明確にし、組織全体でその運用を定着させることで、ダッシュボードは真価を発揮します。
定期的な確認と議論を通じて、行動変容を促す文化を醸成しましょう。
最後に
サースプラスカンパニーのメンバーはこのSalesforceダッシュボードワークショップの実施経験があり、目標達成のためのKPI検討手法やダッシュボード設計における実践的な進め方、効果的な運営のノウハウを持っています。
参加型のワークショップ形式で、以下の内容を含むダッシュボード設計の支援が可能です。
▪ 目標達成に必要なKPIの検討手法の理解
▪ サクセスマップを用いたゴールから日々の活動までのブレイクダウン
▪ アクションを促すダッシュボードの設計方法
参加者の方々が主体的にアイデアを出し、具体的なアウトプットを生み出せるよう、伴走型の支援を提供いたしますので、「ダッシュボードを形骸化させずに、本当に成果に繋げたい」「KPIの設定に課題を感じている」といった企業様は、ぜひ一度ご相談ください。
Salesforce活用を次のステージへと引き上げるお手伝いをさせていただきます。
株式会社メンバーズ サースプラスカンパニーでは、Salesforceを中心としたSalesforce・SaaS活用の内製化・伴走支援サービスを提供しています。
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※本記事は執筆時点の情報をもとに作成されております。Salesforceのアップデート等により仕様が変更となる可能性がありますのでご注意ください。
